柿葺き(こけらぶき) [作品(瓦のこと)]
私の今日の現場は、㈱○×建設施工の新築屋根工事です。
この屋根の瓦下地には、最近めったにお目にかかれない
杮葺き(こけらぶき)が施されております。
「杮葺き」とは、杉・桧・さわら・栗・ヒバ等の厚み3~15mm(1~5分)の薄板
を葺き足寸法15~60mm(5分~2寸)に葺かれた屋根のことをいいます。
昔の神社などには、見事な「柿葺き」の建物がありますね。
(この板だけで雨が漏らない)昔の人の知恵
今回の場合は、昭和30年代頃まで、東京などで瓦下地として定番だった
(アスファルトフエルト・アスファルトルーフィング・ゴムアスルーフィングなど)が
開発される前までは・・・・
「トントン葺き」=約3mm以下の薄板を、重ねて1枚、1枚、細かい釘で止めていく工法の、最新バージョン、「コロシート」を使いました
大上木材工業株式会社http://www.ookami-mokuzai.jp/colosheet.htm
よせむね
どうしてこのような下地にしたかというと、この屋根、寄棟造りで大棟が3尺しか
なく、棟換気が、効果がないので、野地全体を通気性のあるものに・・
という発想のもと、採用が決定しました。
私は昔の「トントン葺き」は、経験がありませんが?私の親方の話です。
当時、この薄板を、重ねて1枚、1枚、細かい釘で止めていく専門の業者が
居たそうです。名前は、ザ・「トントン屋」
このトントン屋さん、まず、細かい釘を口の中に一杯に含みます
そして手には、特殊かなづち(サイコロのような形)を持ち、いざスタート!!
口から細かい釘を1本、1本出し、一気に一発で止める、この機関銃のような
作業、今でも忘れない、とよく話してくれます。
このトントン屋、まちがえて釘を呑み込んだ人がたくさんいたらしいです。
それでも人間って平気らしい?
たまたま、この作業を見てしまった外国人??
「ニホンジンハ、クチカラ、クギヲダシマス・・・?」と、言ったそうです。(笑)